光悦作「時雨」「乙御前」、国宝「卯花墻」 −茶人のまなざし 森川如春庵の世界(名古屋市博物館)
 ごめん。想像以上にすごかった…。

 メインの本阿弥光悦作の黒楽茶碗「時雨」、赤楽茶碗「乙御前」、どちらも非常に個性的でやっぱり良い。時雨は黒楽のくせにやたら薄作りで割と端正なのが渋いし、乙御前の自由な形は写真を見ただけでも言わずもがなで、あれを実際に立体で見られるのはやはり良い。

 ネットでの噂どおり、国宝の志野茶碗「卯花墻」もちゃんと展示されてたよ。この茶碗も確かに良い。志野らしいポテっとした肌、自己主張がないのに存在感ある模様。適度なゆがみ具合。そして、これらに付随して大概裏返しで発生するはずの粗野な下品さがほとんど見受けられない。志野随一の名碗と言われるのも確かに納得。

 どうも並んでいる作品群から受ける雰囲気が只事でないと思ったら、そりゃそうだ。「寸松庵色紙(伝 紀貫之筆)」だの「石山切」だの桃山期の鼠志野の皿だの織部だの、普通の展覧会だったらそれ1つで展覧会のメインになりそうな品々がゴロンゴロンしている。会場の広さも本気度満載。入る前は入場料が1,200円はちょっと高いかなーという印象があったが、会場に足を踏み入れてものの数分で、図録(2000円超の豪華版)の購入まで即座に決定。結局、音声ガイド(500円)も装備して、たっぷり2時間かけて隅々まで楽しんだ。

 数々語られる個人のエピソードもえらく破天荒で面白い。何なんだ、この森川如春庵という人は。

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御廊下橋と福井城の桜 (福井城天守閣跡)
御廊下橋(福井県庁わき) 今日は福井駅前に出かけたついでに、福井県庁のお堀に最近完成した新スポット、福井城の「御廊下橋(おろうかばし)」を、県庁の桜ともども見に行ってきた。

 橋の上全体をトンネルのように建築物が覆う、確かにあまり見ない形態の珍しい橋。

 まだ周囲から若干浮いた感じが否めないが、いずれ馴染んでいくんだろう。中に入ると真新しい木の香りがする。古いものを有難がるのも大事だが、新しいものを素直に楽しむのも賢い楽しみ方と思う。

 ところで、お堀の中にデーンと県庁のビルが建っているのが有名な福井県庁だが、実は、福井城の天守閣跡は県庁のビルの下に埋もれず、きちんと保存されているのをご存知だろうか?

 場所はお堀の内側、北西の角あたり。公園のように散策までできる。管理人、数年前まで長らく知らなかったよ。一応生まれも育ちも福井県です…。

 お堀の桜はもう十分に見頃。桜は今日の時点でもう八〜九分位咲いてるかな。.

 登り口からお堀の上に登ると、上から下まで視界全体が桜でいっぱい。分かってはいてもやはり少し感慨を覚える。

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おや…今年の名古屋は文化財集中の年か
 今日なんとなくネットを見ていたら、どうやら今、名古屋市博物館に東京・三井記念美術館蔵の国宝の志野茶碗「卯花墻」がやってきている模様。美術館でなく博物館というあたり、ちょっと死角になりがちと思われる展覧会。4月13日(日)までの模様。行ってみようかと思っているところ。

 なお、この機会に見逃しても、10月・11月に同じような展覧会が東京の三井記念美術館でも開催される模様(東京の展示品の詳細は不明)。後になってこの記事を見て残念な思いをした人も、無理すれば何とかならないことはない。名古屋市博物館は行ったことがないが三井記念美術館は暗いディスプレイで、よくある美術館とは異なる雰囲気の展示になるのが常なので、双方の会場で違った表情を楽しむというのも一興かも。
愛知県陶磁資料館 −猿投って、いいなあ。(2008.1)
 奈良時代から平安時代にかけて栄え、鎌倉〜室町頃には消滅したらしい愛知県の古窯「猿投(さなげ)窯」。猿投という焼きものの存在を知ったのは比較的最近のこと。

 独特の魅力のある灰色の器たち。鎌倉時代に比べてかなり技術力が高い(仕事が丁寧)と思わせる端正なやきものが多く、造形自体はいかにも大陸風なのに、全体的に受けるイメージではどう見ても和風の柔らかさに包まれて、確かに平安時代っぽくもあり、またちょっと謎めいた不思議な姿でもあり、本などで色々目にしていっぺんにファンになってしまった。

 昭和29年になってようやく窯跡が発掘されたようで、やきもの全盛のこの国でこんな最近まで忘れ去られていたのか?というのも魅力に華を添えている。

愛知県陶磁資料館 この猿投窯のやきものの主要な名品を集めた展覧会が、猿投山古窯跡群のお膝元、愛知県陶磁資料館で運良く開かれていた。
 「幻の壺−本多静雄コレクションのやきもの−」という展覧会で、本で見るようなアレとかコレとか、松永耳庵コレクションのソレまであり、目の保養になったことなったこと。

 しかも奈良時代・平安時代の須恵器や灰釉陶器の陶片(本多コレクション)に実際に手でさわれるコーナーまで!見るのと触るのとではテンションの上がり方が全然違う。展覧会企画された方ありがとう!貴重な体験ができました。

 他にも古瀬戸とか色々展示してあったが、もう猿投しか覚えていない。そんな一日。

 この展覧会は終わってしまったが、愛知県陶磁資料館、2008年で開館30周年記念とのこと。今後も記念イベントが続いていくようで、今年は目が離せなさそうだ。

 ところで、福井県陶芸館(福井県越前町、越前陶芸村内)に展示されている越前焼の中にも平安時代に作られたものがごく少数ある。端正な造りの三筋壺で、鎌倉や室町の豪快素朴な壺がゴロゴロ並ぶ中で大分違う存在感を放っており、興味のある人は一見の価値あり。福井県陶芸館も陶片を触らせてくれる趣向、やってくれないもんかな…

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織田有楽斎の国宝茶室「如庵」、年2回の特別公開。
如庵(愛知県犬山市) 古くから現存する茶室のうち、現在国宝に指定されているのは3ヶ所のみ。京都の妙喜庵待庵、犬山の如庵、そして京都、大徳寺龍光院の密庵(みったん)。合わせて「三名席」と呼ばれているようだ。

 3つのうち、拝観できるのは待庵と如庵の2つ。密庵は基本的に非公開の模様。このうち、待庵は完全予約制のうえ、にじり口に竹の柵がしてあり、そこから内部を眺めるだけなのに対し、如庵は年中無休予約なしで見られるうえ、春と秋の数日間の特別公開の期間には茶室内部にまで入ることができる。
 
 そうと聞いたら行かずにはいられない…かどうかは知らんがとりあえずその気になったので、昨年秋、名古屋駅から名鉄にゆられて30分、愛知県は犬山市、織田有楽斎の国宝茶室「如庵」の特別公開に行ってみた。茶室の中にもちゃんと入ってきたよ!

 ちなみに、如庵に入れる特別公開の日は入場料が1,900円(別室で飲める抹茶代含む)。結構いいお値段なので注意。そのせいもあるのか、ぎゅうぎゅうに込んで行列になるようなことはなく、スムーズに内部を拝観できた。春の特別公開ももう間近、今年は4月11日(金)〜4月14日(月)とのこと。(名鉄犬山ホテル(有楽苑)の料金案内のページ参照)

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国宝「油滴天目」「飛青磁花生」 −"安宅英一の眼" 美の求道者 安宅コレクション展(金沢21世紀美術館)
 今、金沢21世紀美術館でこんな展覧会が開かれているのを知っているだろうか?
 あまり大々的なプロモーションが行われているように見えないが、陶磁器に興味のある方なら一大事ともいえる展覧会。

 大阪市立東洋陶磁美術館の、国宝2点を含む有名な陶磁器コレクション。その目ぼしいところ、かなりの点数が現在金沢にやってきている。超がつくほど有名な油滴天目の茶碗はもちろん、屈指の上手とされる砧青磁の鳳凰耳花生、繊細な模様の木の葉天目、李朝陶磁では随一とされる祭器などなど、何か重量級のオーラ漂ってるわあという作品が決して広くはない展示スペースに目白押し(李朝の祭器は自分にはまだピンと来なかったけれども)。こういうのは理屈を並べるよりとにかく実際に見てみるのが良いに違いない。興味があったら足を運んでみてはいかが。ただし、入場料は1人1,000円と少々高め。一緒にやっている「コレクション展」も見られるけれど。

 ただこの展覧会、3月20日(祝)が最終日。貴重な機会って、気を抜くとすぐに目の前を過ぎ去ってしまう…


 同じ21世紀美術館のお気に入り、「タレルの部屋」でパチリ。この部屋、大好き。何度来てもいいなあ。

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