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縁(くずし懐石 縁) 京都市 今出川
 お店の趣向、ご主人の人柄、ともども非常に面白いお店。ご主人は非常に個性的で、接客もやや独特にひねった感じで、人によって合うかそうでないか。行った人によって来店後の感想が大きく分かれそうな感じだが、個人的には割合好ましい。そういう個性はともかく、料理に対する姿勢には大いに感服するところがあって、この人、どこまでの高みを視線の先に見ているのだろうと思わせる所がある。今の福井では、悔しいが想像さえおぼつかないであろう位の高みを。

 ここで色々語るより、このお店は実際に行って体験してみるのが一番だろう。烏丸御池のあたりにあったらしい移転前のお店には行ったことがないので分からないが、以前このお店が紹介されるとき金太郎飴のようによく取り上げられた「懐石料理に西洋の風を持ち込みました」なんて感じから連想されるチャラついたお店では全くなかった。

 まっとうな食材を丁寧に料理する。心遣いは、さり気なく自然に表れる。当たり前のことを当たり前にこなす、言うのは簡単だがこれがいかに素晴らしいことかと再認識させられるお店。

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開花亭 sou-an (日本料理) 福井市
 創業100年以上と言われる老舗の料亭の割に、これまで開花亭の情報はネットで調べても不思議とあまり出てこなかった。

 管理人も前々から興味はあったものの、今まで(本館)は2人以上の予約でないと入れないというのが大きな壁で、1食に8千円以上もかけるような物好きというのは世の中にそう集まっているものでもなく、だからって2人分の経費をもつような甲斐性もなし…。これまでは敷居が高いという印象は否めなかった。

開花亭 sou-an(福井市) この開花亭だが、この2月、新たに新館がオープンしたところ。開店からそろそろ落ち着いてきたかなーという頃合い、早速予約してお昼を食べてきた。

 モダンな建築はもちろん、夜に比べれば手頃な価格のお昼、店内にカウンターがあり"おひとりさま"系の客にも配慮したあたり、仕掛人と思われる若旦那の新しい試みは外見だけではない感じ。お料理にも何らかの趣向があるようにも思われたので、ブログ「ニッチモノへの入口」のaria氏も誘って行ってみた。

 お店の外観は実際に目にしてもやはりかなりモダン。好き嫌いは分かれるだろうが、これまでの福井の現状(飲食業界だけではない)に対してかなりの問題提起になっているのは確か。個人的にはこういう試みは悪くない。

 お店に着いたところ、お店の前には開花亭の若旦那が! 本人がお店の前に立ち、積極的にお客を案内している。冒頭から若旦那の意気込みが良い意味で伝わってきて好印象。お昼は3,000円弱、3,500円、4,500円位のコースがあり、3,500円(税込3,675円)のコースを頼んでみる。

出てきたお料理は…

!…ほほう。



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山仁[やまに] (かに料理/魚料理) 福井市
活鱗房 山仁 (福井県福井市) …凄っげえわ。何だこのお店。出てくる魚という魚、ことごとく質が良い。同じ魚なのに普段口にするものと一味違うと思わせられた点、多々。

 魚料理のお店では「これは」というお店になかなかご縁のなかった管理人。しかし、そこは海産物がうまいうまいと言われる福井県、探せばこんな店がやはりあるもんだな。しかもJR福井駅の目と鼻の先…灯台下暗しとはこのことか。福井県にはまだこういうお店がちらほらと眠っていることだろう。楽しみな話だ。

 お刺身はメジマグロ、ヒラメ、ナル、甘海老、イカ。
 メジマグロはクロマグロの幼魚、ナルはブリに成長する一つ手前の若魚、関東で言えばイナダとブリの間くらい。最初にヒラメを口にしたとき「これ寿司で食べたい…」とかよこしまな考えが頭をよぎったが、つまりこのお店、死後硬直による歯ごたえで新鮮さを強調するような類のお店ではないということが言いたい。あれはあれで面白いところがあるんだけれど、じっくり味を引き出されたお刺身にはかなわないと思う。大体メジだのナルだの、必要以上の脂や血の臭いを避けた魚を用意するあたり、その辺の配慮はきちんとしていると思う。これは寿司ではなくて刺身なのだから。
 メジマグロにしろナルにしろ、普段口にする魚からベールを一枚はがしたようにクリアな味わいなのに、味そのものはきちんと乗っているし、なにより舌触り。身肉のキメが揃っていて、筋繊維があまり崩れずに保たれている感じ。こういうところに新鮮さを感じる。

 焼物。若狭ガレイ。高級魚、丸々1匹。サイズも大きい。隅々まで頂く。一緒に出て来たサザエがまた旨い。実は管理人、サザエが大の苦手だが、このサザエは美味しかった。緑色のキモの部分が苦くないし、磯の香りも不快な部分が全くなく、良い香りのみ。印象くつがえりました。

 そしてカニ。カニの品質もすごい。この日はズボガニ(脱皮直後のカニ、水ガニ)を出してもらったのだけど、管理人、ズボガニがこんなに美味だとは今の今まで知らなかったよ。水ガニだというのに身がギュウギュウに詰まっている。旨みも水ガニとは信じられない位、また、ほんのり未成熟な感じの独特さもあり、日本酒でいう火入れした酒と生酒の違いに似た印象がある。

 こういうものは新鮮さが命で、大都市の市場などに出荷されても福井ほど美味しく味わえない点、福井ならではのグルメとも言える。昔スーパーで購入した身がスカスカで臭いにおいばかりする水ガニとは雲泥の差。

 店内に貼り紙がしてあって、「カニは全て活きガニを仕入れ、店内でボイルしています」とのこと。…徹底しているわ、こりゃ。そういえばお店の生簀にもデカい越前ガニがいたよ。

 なお、お店には特にメニューといったものは準備されておらず、”予算に応じて対応”とのこと。ぐるナビで紹介されていた予算の目安を参考に、お昼だったけど「5千円で」とかなり張った注文をしたところ、このとおり目を疑うような良質食材が出るわ出るわ。実は、この後にまだメニューが続くのである。この日はたまたまお店がすいてて運が良かったのかもしれない。

 以上から分かるように、このお店もお魚の相場は"福井相場"ともいうべき価格で、海のない県の方には空いた口が塞がらない位の超良心的コストパフォーマンス。普通に食べる分にはそこまで出資する必要はないと思われる。このレベルの海産物、仮に今回のと同じクオリティと皿数で京都で楽しむとしたら、1万や1万5千ではとてもきかないのではないか。本当に、マジで。

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永平寺の精進料理。(福井県永平寺町)
 永平寺といえば、やはり"精進料理"。これは外せないだろう。

 永平寺の精進料理は、例えば阿部孤柳著「日本料理の真髄」(講談社+α新書)で"日本の三大精進料理"[永平寺流、大徳寺流、普茶料理]と紹介され、また同書に永平寺流の精進料理が「現在日本に精進料理として最も普及している」とあるように、日本料理の様々なありようを広く楽しむ上で、実は意外と外せない存在感を放っている。

 直前の記事のとおり、先日永平寺に修行に行ってきた訳だが、もちろんこの精進料理の存在が参加へのモチベーションを強く高めたことは疑いない。

 さて、その精進料理。まず夕食はこんな感じ。

永平寺の精進料理(夕食) どうだろう、一見して質素な印象を受ける。京都でよく見られる、料理方(寺院出入りの料理店)が作る精進料理のようないかにも料理人の料理然とした雰囲気はまるで見受けられない。

 大根と大根葉のおみそ汁、香の物、煮物の器はがんもどき・椎茸・にんじん・えんどう豆。小さな茄子等のおひたしにきんぴらごぼう(?)の器に、蓮根の酢の物の器。そして画面では隠れているが、きんぴらの器の下に胡麻豆腐の器。「一汁香の物共五菜」、きちんとマナー通りの本膳料理(江戸期の略式の本膳料理[=袱紗料理])の形式である。お膳の左下に昆布の揚げ物、大福系の菓子、バナナがある辺りが多少お客さん待遇か。

 いずれも盛付けは必要最低限。香の物の量を見れは一目瞭然だろう。ご飯も器の底のほうに平たく張り付くような感じで必要最小限の盛りである。捧げてくれた食材の命に感謝しながら、これを一口一口噛み締めて食べる。そう、永平寺では食事も大切な修行の一環なのである。食事を作るほうも修行、食事を食べるほうも修行なのである。だからと言って食べる順番等を注意されることはないので、何だかんだ言って結構リラックスして味わうことができた。

 それにしてもこの料理、見た目は一見とても地味、味にも派手さはないが、一品一品丁寧に料理されており、少量のおかずを噛み締めながら感じる味の印象は、漫画「へうげもの」の古田織部の言葉を借りるなら「またしてもうまいっ!」(第四十四席”Relax”-織部とノ貫のエピソード-より。分かる人は織部のあの顔を想像してほしい)状態。何だかんだいって食後はきちんど腹八分目、食物の有難さが見に染みて分かる素敵な料理なのである。この感覚、やはり実際に味わってみるのが何より良いのではなかろうか。

 なお、食事終了間際にはご飯の器に少量のお茶が注がれ、器に残ったご飯粒は残らずさらえることになる。この辺はやはり修行である。

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ふるさと 渓流 (和食) 福井県坂井市
ふるさと 渓流(福井県坂井市丸岡町) イワナの洗い「イワナの洗い」 800円

 あの北大路魯山人が、鮎の洗いをヒントに自分で思いついたと言っている「岩魚の洗い」(※出典は文末参照)。一度食べてみたいと思っていて、ここならあるかなーと思って行ってみたところ、案の定置いてあった(固定メニューではないが「季節のおすすめメニュー」としてホワイトボードに書いてあった)。案外近くで食べられるものだ。

 印象に残ったのは、きれいなサーモンピンクに染まった身の色。なるほど、調べてみるとイワナはサケ科の魚。サケと同じで、食べ物によって身が白色になったりピンク色になったりするものらしい。

 味は想像どおり、非常に淡い繊細な味。香気のようなものはあまり感じない。夏場の暑いときにふと口にしたくなるような感じ、歳を重ねるにつれて次第に愛好が深まるような味だ。方々で書かれていることだが、特に生臭い印象はない。海の魚を食べるのと全く変わりない。
 なお、刺身のツマ代わりについてくる、細くきざんだミョウガ。水にさらしたと思われるが、シャクシャクと良い食感が非常に新鮮。

ふるさと渓流 あまごそば「アマゴの天ぷらそば」 800円

 こちらはお店の看板メニュー。アマゴの天ぷらは頭とワタを取ってあり、骨もほとんど残っておらず、だれもががおいしく食べられる味。ほんのり桜色に染まった身の色が美しく、味は火を通したマスの味からさらにクセを取り除いて上品にした感じ。食感もホクホクとして、こういうのは掛け値なしに美味い。

 食べているうちに、衣の下からアマゴの繊細できれいな皮目が目に入った。まさしく渓流の恵み、宝石をいただいているような素敵な印象だ。

 ところで、さすがに川魚の生食は「当たったらどうしよう」なんて思いもしたりするものだが、リスクを知りながらもついひかれてしまう、そんな魅力があるのも確か。とりあえず管理人は無事にすんだみたい。よかったよかった。

注)分かってるとは思うけれども、普段食べない魚の生食は、自分で自分の体に責任が持てるようになってから自己責任でやりましょう。決して事情を知らぬ子供に無理やり食わせたりすることのないように。

レストラン渓流福井県坂井市丸岡町山竹田70-4

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瓢亭 本店 (日本料理) 京都市南禅寺
瓢亭 本店(京都市南禅寺) 瓢亭、すごかった。想像以上だった。

 料理が美味しいのは別館でも体験できるけれど、この瓢亭本館の雰囲気、並の京都の名所など軽く凌駕してしまう位突き抜けている。福井から行くのはちょっとおっくうだろうけど、万難を排してでも一度体験してみる価値があると思う。並の京都めぐりよりずっと満足感が得られること請け合いだ。

 外から見ただけでは全く気付かないが、入り口に一歩足を踏み入れた途端、そこはまさしく文字通りの別世界。植栽の密度の高い庭が眼前に拡がる。外から見ている限り非常に限られたスペースのはずで、こんなスペースではお店の工夫にも限界があるだろうなんてタカをくくっていたのもあったけれど、眼前に展開する空間はそんなスペースの制約などないかのようだった。密度高く茂るお庭の向こうに、点々と茶室や個室が1軒づつ建っているという、なんとも浮世離れしたスタイル。身の回りを取り巻く現実が徐々に消え去っていく…

 曲がりくねった道を歩いた時間は限られたスペースの割に長く感じられ、これからどんなところでお料理をいただけるのだろう?と非常にワクワク感でいっぱいになった。小さい頃、初めて東京ディズニーランドに行き、入口のワールドバザールに足を踏み入れたとき、同じようにワクワクしていたのではなかろうか。

 この感じ、形式はある程度省略されているかも知れないが、紛れもなくこれは「茶の心」、というより、これは茶の湯の核たる抹茶の部分までも「形式的」として取り払ってしまった先鋭的なアレンジの現代風の「茶の湯」そのもので、もてなしの精神が最良の形で体現されているのを感じる。こんなに心地良いのは久し振り。また、茶の湯の精神をこんなに身近に感じ、良いものだなあという思いを持ったのも初めてのことだ。なるほど、近年の方が「茶懐石」などとそれまでにない用語を創作してしまった気持ちが良く分かる。

瓢亭の朝がゆ …というわけで、前回瓢亭の別館に行ったときの印象が割と良かったので、本店(本館)のほうに8月の始めごろ行ってきました。本格的な懐石料理(昼23,000円~)はさすがに手を出しづらいけれど、本館でも季節限定で朝がゆ(5,500円[税サ込])が食べられる。もちろんお値段なりにおかゆ以外にもいろいろ付いてくる。この朝がゆが結構名物だったりするので、やはりターゲットは朝がゆということに。

 とはいえさすがは本館、食べるところがみんな個室になり、席数も決して多くなさそうな感じなので、予約は2人以上でないと不可といわれた。当然だが、福井からわざわざ京都に朝がゆを食べに行くという酔狂な人間は周囲にはそういないもので、いろいろ考えた結果「この人なら大丈夫かも?美味しんぼに載ってるお店だから」という大ざっぱな推測でこちらの方(「ニッチモノへの入口」ariaさん)にお誘いをかけてみたところ、快くOKの返事を頂いたので今回本店に向かうことが出来た次第。aria様恩に着ます。おかげでとっても楽しい時間を過ごせました。ありがとう!

 「ニッチモノ…」様のほうにも瓢亭の記事があります。料理に対する洞察はさすがで、管理人ではカバーしきれないような鋭い指摘も入っているように思います。あわせてご覧あれ。
 -ブログ「ニッチモノへの入口」より-
  ・瓢亭へ行く / 01 導入編
  ・瓢亭へ行く / 02 実食編
  ・瓢亭へ行く / 03 朝がゆ実食編 

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