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Manfredo Kraemer お気に入りのヴァイオリニスト。
「その他のフォリア」ジョルディ・サヴァール(gamb)、マンフレート・クレーマー(vn)「その他のフォリア」
ジョルディ・サヴァール(gamb)、マンフレート・クレーマー(vn)/エスペリオンXXI
[ALIA VOX AV 9844]
 マンフレート・クレーマー(Manfredo Kraemer)は、お気に入りのヴァイオリン奏者だ。感情のノリ・勢いにまかせた、スリリングな演奏が楽しめる。技術がないわけではないが、勢いにまかせたまま細部の詰めが甘かったり、演奏の出来にかなりムラがあるような感じだけど、とにかく、イキがいいのだ。

 この人、国内のサイトでは意外とコメントが少ない。能力があるのに意外と保守的にバランスよく演奏をまとめ、何かともどかしいアンドルー・マンゼより、ピリオド楽器のヴァイオリン奏者としては、よほど"今"聴く価値、あると思う。(タルティーニ「悪魔のトリル」を聴く限り、マンゼもやれば色々できるはずなんだけどね…。)

 今回久々にクレーマーの当たり演奏の新譜が出た。しかもコレッリとヴィヴァルディの「ラ・フォリア」で、近年にないアグレッシヴ系のアプローチ。嬉しいので色々書いてみる。


 今回の「その他のフォリア」はALIA VOX立上げ時の最初のCD「ラ・フォリア 1490-1701」の続編に当たる。前作と同じく、色々な作曲家が作曲した「フォリア」という舞曲をモチーフにした曲を集めたCDとなっている。

 今ではフォリアというと「あのメロディーだ。」とバロック愛好者にすぐ分かる位メロディーが固定した変奏曲だが、このシリーズではメロディーが固定するまえの、ダンス・ミュージックとしての要素が強いころの「フォリア」が色々聴けるのが魅力の一つとなっている。前作合わせてCD2枚分、たっぷりとフォリアばかり入っているが、本当に沢山の作曲家が書いてるのね(知らない作曲家もいるし、この人も作曲してたのかってのもある)。

 この2枚のシリーズではバロック以前しか取り上げてないけど、ロマン派以降でもリスト(スペイン狂詩曲)とかラフマニノフ(コレッリの主題による変奏曲)なんかもこのメロディーで変奏曲作ってる。確かにさりげなく耳に残るメロディーなのよね。メロディーが固定してきたのはバロック期あたりみたいで、だれが作曲してこのメロディーになったてわけでもなさそうなんだけど、とにかく昔からヨーロッパ中で流行ってたみたい。J・S・バッハなんかも、ほんの2~3小節だけど、自作でこの旋律を引用してたりする(農民カンタータ)。

 とはいえ、「ラ・フォリア」のメロディーがここまで有名になったのには、それなりに起爆剤があった。

 バロック期のイタリアの人気作曲家、アルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)が作曲したヴァイオリン・ソナタ「ラ・フォリア(作品5-12)」と、同じくアントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)が作曲したトリオ・ソナタ「ラ・フォリア(作品1-12)」である。(ヴィヴァルディの作品はコレッリの作品へのオマージュとして書かれたのが一目瞭然なので、オリジナル作品としての価値が弱いのは確かだけど、それ言ったらコレッリも同じよね。曲の普及への貢献度から考えたら、2人を並べても差し支えない。でしょ?)
 改めて聴いても、この2曲は他の曲に比べて一枚完成度が上手だ。もちろん、このシリーズでもメインディッシュ扱いになってるみたい。

 今回、シリーズ2枚目で御大のコレッリとヴィヴァルディの「ラ・フォリア」が出てきてかなり嬉しいところだが、じつは、シリーズ1枚目にもコレッリの「ラ・フォリア」が入っていた。ただし、本来ヴァイオリン・ソナタであるところを「ヴィオラ・ダ・ガンバ(見た目チェロと似た、バロック期の楽器の一種。)」で弾いていたのである。レーベル主催者のサヴァールが著名なヴィオラ・ダ・ガンバ奏者なのだから当然といえば当然の話で、演奏も「ガンバでここまで弾けるのかよ!」ってくらい凄い演奏だったのだけど、楽器の制約上の限界も感じられて「やっぱりヴァイオリンで弾いたのが聴きたいな…」と思ったのも正直なところだった。1枚目が出たのは何年前だったろう…。とにかく、当時はシリーズ化の予定なんてのはアナウンスされておらず、今回、忘れた頃に突然続編リリースの話があった、というわけだ。そして、気になっていたコレッリはヴァイオリンで再録音、おまけにヴィヴァルディもついて、ヴァイオリンはマンフレート・クレーマー。期待以上の大サービスに感涙ものである。

 演奏は、先にも書いたとおりかなりアグレッシブ系。コレッリのラ・フォリアは冒頭から独自の装飾音たっぷりで、近年のアンドルー・マンゼ、エンリコ・ガッティの録音と違い、チンとおとなしくしているような演奏ではない。通奏低音はチェロ+チェンバロ+バロックギターで厚めの編成だが、エッジを効かせてソリッドな感じにまとめてあり、響きが緩んだような感触は一切なく、非常に良い。アグレッシブ系の演奏では近年間違いなくベストに入る演奏だ。こんな演奏がこの時代に聴けるのが、うれしくて仕方ない。うれしいので何回も何回も聴いた。(おかげでコレッリの作品はアグレッシブだけで簡単に制覇できる曲ではないという奥深さも再認識したが…ガッティのCDは、やっぱり大本命の盤だと思う。)

 ヴィヴァルディも、コレッリと同じ位印象に残る演奏。多分、お店で試聴機にいれたら即買いの客多発間違いなしって位威力がある。近年では珍しい。

 ちなみに、アルバムではサヴァールとクレーマーがバラバラに録音しており、2人は共演していない。ぜひ共演での演奏を聞いてみたいところだ。

 一気に色々書きすぎた。クレーマーのCDでは、旧譜でとっておきのバッハのCDがあるんだけど…。じゃあこの記事もシリーズものってことで。また後日書くこと、とする…。

「ラ・フォリア 1490-1701」ジョルディ・サヴァール(gamb)/エスペリオンXX「ラ・フォリア 1490-1701」
ジョルディ・サヴァール(gamb)/エスペリオンXX
[ALIA VOX AV9805]
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