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トン・コープマン オルガン&チェンバロリサイタル(2010.11.13 ハーモニーホールふくい)
 いやー、昨日のコープマンのリサイタルは本当に堪能できた。

 こういう個性のある演奏家の場合、ライヴになると日によってどうしてもムラがあるんだろなと思われるんだが、この日のコープマンは随分調子が良かったと思う。


 この日のプログラムは全曲バッハ。冒頭の半音階的幻想曲とフーガは、最初ということもあって、会場もざわつき気味、演奏する手も温まってないような感じの中で、多少のミスタッチなども出つつ割とぎこちなく始まった訳だが、装飾音のはしばしに"今日ははちょっとアグレッシブにいこうか"的な雰囲気があって、フーガ最後のカデンツァではほんの一瞬だがちょっとした"間"を挟み込んでみたり、"あ、今日はやる気だ"という期待が高まる。

 期待通り、2曲目の平均律(BWV846)、3曲目のB.マルチェッロ原曲の協奏曲(BWV974)と次第に調子が良くなっていく。3曲目の協奏曲はコープマンらしい装飾音が随所に散りばめられ、聴き応えがあった。
 聴いている客の集中度も高く、開始直後のざわついた雰囲気がすっかり消えている。クラシックにはめずらしく、会場の空気が温まっているのを感じる。
 4曲目のパルティータ第4番も、明るい曲調がコープマンに非常に合っていた。パルティータや協奏曲はCDがリリースされていないが、やはりぜひCDで全曲聴いてみたい。

 前半の演奏後に、舞台に近づいてチェンバロを良く眺めてみる。楽器は、いつも使っているウィレム・クレースベルヘン作のもの。鍵盤部分が少々傾いているというのか傾けてあるというのか、鍵盤部分の右下に楔が打ってあるのが非常に特徴的な楽器だ。

 休憩を挟んで、後半はオルガンのプログラム。後半のオルガン演奏が、また良かった。 後半冒頭のトッカータとフーガ 二短調。コープマン、難しい部分も非常にカッ飛ばしたテンポでトライしていた。コープマンの同曲の3回目の録音(TELDEC)より若干早かったのではないか。リズムの刻み方も、CDで聴くより縦ノリの感覚が強い。老人や老成した若者には嫌味を言われそうな演奏だが、ごめん。管理人は楽しくて仕方がない(笑)。
 それと、この日のリサイタルでは、オルガンの隣に、高さ5mはあろうかというバカでかいディスプレイが置いてあって、鍵盤の手元や足元のペダルの演奏の様子をリアルタイムに見ることが出来たんだが、足鍵盤があんなに複雑で忙しい動きをするものとは実感していなかった。あのハイテンポの中でもコープマンの足さばきに全く淀みがないのが凄い。

 その後、コラール2曲(BWV654、BWV653)。コープマンの演奏するコラールは、聴きやすい解釈の反面、宗教的な深みの面ではどうなんだろなあ…なんてCDを聴いて思ったりはするが、生演奏ではそこまでの不満はない。BWV653「バビロンの川のほとりで」も、CDでは聴き終わるまでに眠たくなるが、生ではそんなことはない。

 プログラム最後は、パッサカリアとフーガ。例のコープマン流の解釈。やはり、CDで聴くよりリズムに縦ノリ感がある。派手に鳴るオルガンを隅々まで堪能できた。

 ハーモニーホールのオルガンは、以前のコンサートを聴いた限りで正直"たいした楽器ではないかな"という思いを持っていたけれど、今回のリサイタルで印象が変わった。以前、大阪のシンフォニーホールで同じコープマンのパッサカリアを聴いたときより印象が良かったので、もしや随分良い楽器かもしれないなと。オルガンの印象というのは、演奏する人によって随分変わるんだなーと。オルガンも人が大事なのだな、改めてと思った次第。

 アンコールは、コラール(BWV639)、ブクステフーデのフーガハ長調(BuxWV174)、フランス組曲第5番のサラバンドと、コープマンがよく弾くアンコールピースだが、3曲も弾いてくれた。フランス組曲のサラバンドがリラックスしていて良い演奏だった。

 終演後は、会場でCDを買った人を対象にサイン会のおまけ付き。サインをもらって、握手もしてもらった。ふ~、満足満足。演奏も良し、握手もできて、この日はファン冥利に尽きる一日だった。コープマンに関してはミーハーですから。
 
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コメント

お久しぶりです。
実はこの日僕の誕生日だったのですが,ヨメとムスメは不在。
このコンサートに行ってたからなんです。

実は,ウチのヨメはピアノの講師をやってるのですが,この記事を読んで
こもさん(←ハンドルネームいつの間にか変わったんですね)の音楽的知識と
文章表現力に感嘆しておりました。

ああわたしはクラシックはほとんど何もわからないんです・・

>poptrip 様
 お久しぶりです。誕生日に1人とは災難でしたね…。コンサート、楽しかったですよ。管理人も、一時期「洋楽とかマニアックなバンドの世界ってどんなんだろ」とか色々聴いてみた時期が少しあって、アレアとかバンコとかあぶらだことか、今でもたまにCD聴き返します。クラシックでも、聴いてて求めてるのはそういうのと同じだったりします。暗黒系っぽいバンドやデスメタルって、みんなバッハの自由なアレンジなんじゃないかと(笑)。
 poptripさんは、4月から三国にいらっしゃるんですよね。ようこそ坂井市へ。

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