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北大路魯山人展と若冲「象と鯨図屏風」(滋賀県・信楽)
 ふとした拍子で展覧会のちらしが目に入ったという感じだが、今年は北大路魯山人の没後50年とのことだ。一時であればもっとブームのように軽薄な盛り上がり方をしたかもしれない。それを考えれば、今回の落ち着いた盛り上がり方は本当に好きな人向けといった感があって好きだ。

 節目の年ということで、主要な作品をまとめた展覧会も数箇所で展開されていた。

これまで、京都・祇園の何必館に行ってみたり、展覧会で魯山人の作品をちらちらと見かけたりというのはあったけれど、もう少しまとまった展覧会が滋賀で開かれていた。行ってきたのは滋賀県甲賀市。信楽焼の旧信楽町にある、滋賀県立陶芸の森。高速1000円の時期だし、ちょっと足を伸ばすのがあまり苦にならない。

 椿の文様の大鉢、蟹の絵の織部の皿、赤絵の可愛らしい水注、鯰の絵の向付、竹籠の形を模した織部の花入、福の字皿、備前の徳利、美味しんぼにも出た一閑張の日月椀など、本で見るような魯山人作品はあらかた置いてある。抹茶碗もまとまって展示されていた。

 よく言われることだが、ことごとく食べ物と合わせてみたくなる器ばかり。実際に見るとその想いもひとしお。感想は「凄い芸術だ」ではなく、「うわぁウマそう、何か食べたい」という感じが常につき纏う。料理を持った状態の写真も合わせて展示されているが、写真の美味そうなことといったら何の。器に料理が乗った状態の絵葉書が売ってたので、思わずそれ一枚だけ買ってきちゃった位。

 星岡茶寮で実際に使っていた器なんてのも展示されていた。民具のような骨董のような雰囲気のする、総じて控えめで地味な器という印象を受けたが、料理を盛ると映えそうな器ばかり。渋いセンス。

 本業の篆刻や書の作品もまとまって展示されていて、節目の年にふさわしい展覧会と感じた。滋賀の展覧会は終わってしまったが、この展覧会はこの後日本橋高島屋(12/28-1/18)、JR名古屋タカシマヤ(2/24-3/8)、兵庫陶芸美術館(3/13-5/23)に巡回するようなので、どうしても見たいという人はそちらのほうに。


 だが、管理人がわざわざ滋賀へ行った目的はそれだけではない。魯山人展と同時期に、長らく行方不明ということで有名な、伊藤若冲の幻の幻想的ヘンテコ作品「象と鯨図屏風」が信楽でひっそり公開されていたのだ。


「象と鯨図屏風」というのは、1双の屏風の片方に象、片方に鯨が描かれており、象と鯨、地上最大の生物と海の最大の生物が海岸で対面しているという幻想的な構図の屏風。
 昭和初期に公に顔を出して以降70年以上行方不明になっていた作品だが、屏風の写真は残っていて、奇抜な象のデザイン、冗談のように簡素なデザインの鯨など、数ある若冲作品の中でも幻想度・インパクトともにトップクラスで、代表作の一つとして疑いないと感じられる作品。
 その屏風とほぼ同じデザインの若冲の屏風が2008年になって北陸の旧家から新発見されたとのこと(その辺の経緯はこちらのブログに詳しい)。
これが、いつの間にか信楽のMIHO MUSEUMの所蔵になっていたようなのだ。

 MIHO MUSEUM。信楽の山の中の奥地の奥地にある、某宗教法人経営の知る人ぞ知る美術館である。常設展示のスペースが多く、特別展の展示スペースは思ったより限られているが、時折興味深い特別展がひっそり展示されている。今回「若冲ワンダーランド」という展覧会で、他にも色々と若冲の絵が展示されていたが、やはり「象と鯨」の印象が強く、あと印象に残ったのは曾我蕭白「鷹図」くらいか。

 「象と鯨」にしばらくの間見入っていた。丸っこく、大胆にデフォルメされた象の奇抜さが素敵。鼻先を蝶々の触覚や植物のつるの先のようにくるくるっと丸めたデフォルメ。波頭のくるくる具合といい、このくるくる好きがいかにも若冲らしい。いつまでも眺めていたいという気分に浸りつつ、でも信楽で買い物もしなくちゃと、色々内容の濃い一日だった。
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「若冲ワンダーランド」 MIHO MUSEUM

MIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市信楽町桃谷300) 「若冲ワンダーランド」 9/1-12/13 新発見の「象と鯨図屏風」をはじめとした国内外の若冲の作品を展観します。MIHO MUSEUMで開催中の「若冲ワンダーランド」へ行ってきました。 まずは本展の概要を挙げてみます。 ・新出の...

コメント

わたしもみました

魯山人はとにかく用の美を実践された方のようですね。かなり奇抜で、しろうとが扱いにくいような器が、実際料理を盛り付けた写真をみると、まさに、それでなくてはならないようにそんざいさせてしまう芸術性の高さにほれぼれしました。また、若冲は展示替えが何回も行なわれていたので、私は二回行きました。百犬図、鶴の絵、鹿の絵などが印象に残っています。

 こんばんは。若冲の鶴の絵、私も見ました。そういえばあの鶴も随分丸っこくて面白いデザインでしたよね。言われてみると思い出します…。といった具合に、一度見て面白いと思ったものでもどうも記憶が曖昧になりがちなんです私の場合(泣)。という訳でこうやって思ったことを文章に残してみてますです…。

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