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ヘンデル「チェンバロ組曲第1巻/第2巻(全曲)」 ~チェンバロの醍醐味、久々に味わった気がする…
・ヘンデル:チェンバロ(ハープシコード)組曲 第1巻、第2巻(全曲)
ミカエル・ボルグステーデ(cemb)
[BRILLIANT CLASSICS 93713]

 大胆に、即興的に大量の装飾音が入る、いきいきとした演奏。"音楽がいまここで生まれている"感が抜群。この即興性ですよ、チェンバロは!バロック音楽は!

 考えに考え、練りに練って、遊び心と劇性に満ちたヘンデル演奏を聴かせてくれたオリヴィエ・ボーモンのCD[ERATO]に比べると、こちらは練りこんだ様子があまりなさそうな感じなのが逆に良い。ボーモンのCDをすでに持っている方が、重複してこのヘンデルのCDを買っても楽しめる内容。第1巻第7番のパッサカリアや第1巻第3番の終楽章とか、印象的なメロディーの曲での演奏の出来が割りと良いのもポイント。組曲が全曲揃う上、こういう演奏をCD4枚なのに破格の値段で楽しめるのは非常に有り難い。

 さらに!順番に聞き進んでいくとハッと気付くことになるが、このCD、組曲第2巻の演奏で使用しているチェンバロの音色が非常に素晴らしい。ジャーマン・チェンバロ、ミヒャエル・ミートケのレプリカで、Jan Kalsberkという方の作。ただただアルペジオが鳴っているだけで聞き惚れてしまう素晴らしい楽器。録音技師の方が「これはいい音色!会場の響き、録音でみーんな録ってやるんだ!」と喜んでいる様すら感じるような、録音場所の教会の響きを多分に取り入れた録音。通常ならそういう録音は好まないが、確かにこの楽器にこの録音はぴったり。

 演奏者も楽器の特性をよく分かっていて、第1巻の演奏以上に装飾にアルペジオを多用している。いわゆる"ヘンデルのシャコンヌ(組曲第2巻第2番)"の冒頭など、初めて聴く人は原形のメロディーが分からない位の分散和音の装飾の多さ。が、聴いていて非常に耳ざわりが良い。楽器・演奏者・録音が理想的に同じ方向を向いた、1000枚に1枚位かと思わせる幸せな演奏なのではないかと。


 チェンバロで良い楽器といえば、まず思い出すのはかつてグスタフ・レオンハルトがバッハの"半音階的幻想曲とフーガ"の演奏[SONY/SEON]で使用した、1728年製のクリスティアン・ツェル作のチェンバロ。あれは、CDを通して聴いても「楽器は年月を経ると魂を持つ」というものの典型という感じで、本当に凄みを感じさせる音色だ。

 今回のCDのチェンバロは、これとはまた違う。何と言うのか「生まれたままの状態が、すでに完璧に美しい」という感じの音色。今回のチェンバロのモデルになったのはミヒャエル・ミートケ。バッハがミートケ作の新品のチェンバロを購入し、それがあの"ブランデンブルク協奏曲第5番"を作曲するきっかけになった、という話はあまりにも有名だが、このCDのアルペジオがただ鳴っているだけで聞き惚れるチェンバロ、これを聴くと、バッハがなぜ協奏曲にあんなに分散和音の多い巨大なカデンツァを入れたのか、よく分かるような気がする…。そういう意味でも、バッハ好きの管理人としてはいい体験をしたなあと思うCDである。
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