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開花亭 sou-an (日本料理) 福井市
 創業100年以上と言われる老舗の料亭の割に、これまで開花亭の情報はネットで調べても不思議とあまり出てこなかった。

 管理人も前々から興味はあったものの、今まで(本館)は2人以上の予約でないと入れないというのが大きな壁で、1食に8千円以上もかけるような物好きというのは世の中にそう集まっているものでもなく、だからって2人分の経費をもつような甲斐性もなし…。これまでは敷居が高いという印象は否めなかった。

開花亭 sou-an(福井市) この開花亭だが、この2月、新たに新館がオープンしたところ。開店からそろそろ落ち着いてきたかなーという頃合い、早速予約してお昼を食べてきた。

 モダンな建築はもちろん、夜に比べれば手頃な価格のお昼、店内にカウンターがあり"おひとりさま"系の客にも配慮したあたり、仕掛人と思われる若旦那の新しい試みは外見だけではない感じ。お料理にも何らかの趣向があるようにも思われたので、ブログ「ニッチモノへの入口」のaria氏も誘って行ってみた。

 お店の外観は実際に目にしてもやはりかなりモダン。好き嫌いは分かれるだろうが、これまでの福井の現状(飲食業界だけではない)に対してかなりの問題提起になっているのは確か。個人的にはこういう試みは悪くない。

 お店に着いたところ、お店の前には開花亭の若旦那が! 本人がお店の前に立ち、積極的にお客を案内している。冒頭から若旦那の意気込みが良い意味で伝わってきて好印象。お昼は3,000円弱、3,500円、4,500円位のコースがあり、3,500円(税込3,675円)のコースを頼んでみる。

出てきたお料理は…

!…ほほう。




 様々な料理が盛られた小皿が9皿、幾何学的に整列したこの光景。少量で色々な種類のお料理を出すスタイルが最近の流行りだということはあるにしても、お料理の盛り方としては非常に目新しい印象を受ける。

 さらに、食器のディスプレイの華やかさに対し、お料理はというとむしろ質実剛健、というか健全な良質さを感じさせるのが好印象。例えば、

・手前の段右端は煮込んだニシン。地味な素材ながら、ふっくらとした柔らかさでやさしい味に仕上がっている。
・中央に控えるマグロのヅケの山かけ、赤みが抜けすっかり落ち着いた色になっているが、どの位漬け込んでいるのか。
・中央の段右側にあった、押し寿司のように酢で締めた青魚。地味だが悪くない風味。食べてみて何の魚か今ひとつ分からず、聞いてみたところ、イワシと判明。そういえばお寿司でイワシを口にすることはあまりないし、家でもイワシは煮付けばかりだからなかなか気付かないわけだ。素っぴんに近い姿でも結構楽しめる魚だなと再認識。

 という感じ。お料理の解説が一切なかったこともあり、全ての皿にこういう発見があった訳ではないが、試みとしては面白いんじゃないだろうか。

 思うにこれらのお料理、一皿一皿にかなり濃いメッセージが込められているのではないか。単に仕事が生きる魚のチョイスとしたいうことかもしれないが。鰊、鰯はもちろん、マグロだってかなり以前は「大衆魚」と位置づけられていた魚、である。今となってはちゃんとしたものを食べようと思ったらどれもすっかり高級魚…。
 せっかくの野心的な試み、料理名だけでも簡単に説明があると、世界がグンと広がるのではないかと思われる。「わかっている人だけが分かる」という今までの料亭の世界でなく、今一歩お店側からの歩み寄りがあるとうれしいと感じたのは正直な所ではある。

 次に出てきたのは豚の角煮。

 今時美味しい豚の角煮など、ちょっとしたラーメン屋に行けばこんなところに来なくても楽しめるだろうにという印象だが…。さすがだわ。箸でつまんだとき、持てるかどうか非常に不安になった位の柔らかさ。味付けも自然なやさしさで、実際に感じられる味の差はわずかかもしれないが、柔らかいチャーシュー・角煮が評判のラーメン屋よりは裏でやっていること・仕事の丁寧さは2枚位上手かもしらん。

 向付はブリ系のお魚に甘海老、イカ。

 ブリ系のお魚は脂が真っ白になる位まで入っている。口にするとまだかなり歯ごたえと弾力があり、使っているお魚が結局何なのかにもよるが、ブリとしては今までに口にしたことがない食感なので美味いというより戸惑った印象(こういうお店なのでカンパチやヒラマサの線もあったな、聞いてたら印象が多少違ってたかも。ちゃんと確認しとけばよかった…)。イカはスミイカと思われるが、ネットリ・もっちりしていてこちらは極上ではなかろうか。

 揚物。海老、ふきのとう、かき揚げ。

 まだ色々食べている最中だったので出されてから3~4分後位に口にしたのだが、海老はそれでも中がちょうど良い半生状態。ある程度時間が経ってから口にされることがきちんと計算されているあたり、天ぷら屋の天ぷらの「客の前に出てきたときが最良のコンディション」というのとはやはり料理としての立ち位置やノウハウが結構違うようだ。これはこれでまた美味い。
 家でもふきのとうの天ぷらを口にすることはたまにあるが、苦味をここまで爽やかに楽しめる、というのはこういう所ならではかもしれない。

 この後、さらに雑穀ごはんとお味噌汁、デザートと続いてコースは終了。品数は多いように見えるが、お腹は腹八分目といったところ。お昼としては結構高額だけれども内容的にはひとまず値段相応、このコースが3,000円弱だったら結構お徳感は出てくるかも、といった感じか。何にせよ、一度行ってみようという選択肢の一つに加えてもいいお店だとは思う。

 ちなみに、こちらのブログ「ナナイロの生活」様に、新館の夜のコースが紹介されている。夜はもっとオーソドックスな懐石になる模様。夜のメニューのほうが(多少落ち着いた見た目だが)さらに気合入ってるかもしれん…

福井県福井市中央3丁目9-21
(福井市「浜町」と言ったほうが地元の人には分かりやすいかも。)
11:30-13:30 (close14:00)
17:30-21:30 (入店20:30まで)
定休:日曜・祝日
※予約は必須かもしれない。


 ところで、開花亭の新館をデザインした建築家の隈研吾氏というのは、最近でいうと東京ミッドタウンのサントリー美術館を設計した人。こちらはサントリー美術館の入口の写真だが、たしかに雰囲気が似ている。
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kumasan-goodjob

会社の裏に隅研吾建築の「開花亭」という 今年の二月に 新館としてオープンした料...

コメント

ずっと気になっていたので、よく店内の様子や料理内容がわかりました。
おひとり様が好きな私でも大丈夫そうなので、
近いうちにぜひ行ってきます。
ありがとうございました。

開花亭・新館。気になっていたのですが、
ランチの価格もわからず、入るのに躊躇してました。
が、安心しました(笑)

きっちり紹介してくれてありがとうございます。

>anego 様
 1人の場合、テーブル席しかないと何か気がひけちゃうんですよね。2人掛けの席を1人で占拠しちゃってるように見えて。だからといってカウンターしかないようなお店も慣れないと入りづらい。このお店はカウンター席とテーブル席、両方揃っているうえにお店も空間的にかなり余裕があって、ゆっくりできると思います。

>t.y 様
 開花亭がどんなお店か気になってる方、やっぱり結構いらっしゃるんですね。上記のanego様ともども、気になってたけど行ってみよう、みたいなきっかけになったようでしたら記録残したかいがあったってもんです。うれしい。
 開花亭が自前でホームページ作っていれば、今の今までこんな状況じゃなかったでしょうに…。

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奇食の館 シュールストレミングを優雅に食べる会 (2008.3.22) | BLOG TOP | 織田有楽斎の国宝茶室「如庵」、年2回の特別公開。


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