スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ドイツワイン散策 ~「アウスレーゼ・トロッケン」とは何ぞや?
ライヒスラート・フォン・ブール フォルスター・マリーエンガルテン
リースリング アウスレーゼ・トロッケン 2002

 ドイツ南西部、プファルツ地方、ライヒスラート・フォン・ブール醸造所(ブール男爵家醸造所)のドイツワイン。フォルスト村、マリーエンガルテン(マリアの庭)という名前の畑(※ただし、フォルスト村の場合”マリーエンガルテン”はフォルスト村のどこかの単一の畑を指すのではなく、集合畑(グロースラーゲ)を指す。[→ドイツのワインは、ある地域のいくつかの畑をまとめて、本来の畑とは異なる”集合畑”の呼称を用いることがある]。)で取れたリースリング種のワイン。福井市のヤスブン四ツ居店で購入。2,880円。

 逐一説明しないと分からないような長~い名前は「ドイツワインもちょっと興味あるなぁ」と親しもうとする人間に、非常に高い壁となって立ちはだかる。一度慣れると意外と大丈夫だったりもするものだけど。ラベルも地味でなかなか印象に残らないし。

※なお、どうやらフランケン地方に同じ"マリーエンガルテン"という畑があって、そちらは集合畑ではなくてちゃんとした特定の畑(アインツェルラーゲ)らしい。スペルも同一(Mariengarten)。ややこしいったらありゃしない。

 でも、そこは白ワイン王国のドイツ、白ワインではフランスのものでもちょっと味わえないような深い世界もやっぱり追求されてるみたい。

 例えばこんなのがあったよ!という面白いものを見つけた。興味があったらドイツワインの世界をのぞいてみるのも楽しいかもしれない。


 今回のワインはどこに興味をひかれたかというと、名前の最後にある肩書(格付け)の部分。肩書が「アウスレーゼ・トロッケン」となっている。
 極甘口の貴腐ワイン「トロッケンベーレンアウスレーゼ」と字づらがそっくりだが、単語の順番からして全く逆である。

 アウスレーゼ・トロッケンという格付けは、入門書のドイツワインの解説では見たことがない。ネットで調べたところ、これは、通常はアウスレーゼ(完熟したぶどうだけでつくる、一般的に甘口のワイン)として出荷するものを、さらに発酵を進めて辛口(トロッケン=dry[英語]=乾いた、辛い)に仕立てあげた特別あつらえのお酒のようである。
(※きちんと説明すると、「アウスレーゼ・トロッケン」という表記は前半の「アウスレーゼ」が正式な格付け表記で、後半の「トロッケン」の部分は味の傾向を示しただけで正式な格付けとは関係ないということらしい)。

 アウスレーゼといえば、貴腐ワインの次に甘いところにランクされる甘口のワイン。甘いということは、ワインに糖分が残っている。
 ちょっと難しい話になるけれど、ワインに糖分が残っているということは、(酵母菌は糖分をエサにして発酵、アルコールをつくるわけだから)そのお酒にはまだ発酵の余地がまだ残っている。つまり、通常出荷されるアウスレーゼの甘口ワインというのは、完全に発酵しきる前に発酵を強制的に止めて出荷していることになる。これをもっと発酵させるとどうなるか?
 通常の辛口ワインというのは、元々糖分が少ない状態から発酵を進め、さらに糖分を減らして最終的な商品に仕立て上げるのが通常と思われる。その工程を、通常の辛口ワインで使うブドウより糖度の多いアウスレーゼ用の完熟ぶどうを使って行うと、辛口のワインを造るには、酵母が糖分を分解するためにおそらく長い時間をかけてゆっくり発酵の過程をふむ必要が出てくる。この長い発酵の過程をふむことによって、通常のワインよりさらに魅力あるものができるのではないか?という試みが面白そうなのだ。日本酒でも、山廃仕込みなどで最初はじっくり時間をかけてじわじわと酵母の発酵を進めるのが大事だという話とか、完全発酵という概念が一部で論じられていて、酵母がお米のデンプン由来のブドウ糖以外の米のエキスを分解することで生成される微量成分が玄妙な旨みを醸し出すような所が大事だとかいうような話があって、何となく似ているような感じがする。

 さて、ゴタクはこの位にして、実際に飲んでみた感想。舌で感じる甘さはトロッケンの表記どおりほとんど感じられないのだけど、口に含む前から感じられた非常に甘いフルーティーな香りが口に含むと口いっぱいに拡がって、全体の印象を支配する。口当たりは非常にボディがあるように感じるけれど、後口がすっきりしている所は良質な日本酒のようでもある。

 全体的には色々な面で重い一撃を次々に繰り出される印象のお酒で、とても重厚なお酒を飲んだ印象。でも香りは今までになく「葡萄」を色濃く感じさせるもので、ワインと呼ぶより「葡萄酒」と呼んだほうがしっくりくるような印象のお酒、という感じがした。ドイツワインの深い一面、ハマるととっても面白そうなが気がする…。
関連記事
                

トラックバック ※ブログ管理人から承認されるまでトラックバックは反映されません

http://suralin.blog48.fc2.com/tb.php/153-bae3787f

コメント

はじめまして。「良質な日本酒」ですか、なるほど。食事時の日常消費には果実の糖比重が高いものは辛口でも飲み難いです。最近は温暖化で、シュペートレーゼでも貴腐ワインとなり、カビネットでも法的にはシュペートレーゼの比重値を満たしている物が多いです。現在、ドイツワインが目指しているものは、一方ではアルコール度など内容が詰まった寝かせてから飲むグランクリュワインです。ここの醸造所も醸造責任者やオーナーが変わり一挙に質を上げました。やすぶんさんは、賃貸に参加してらっしゃいましたね。今後が愉しみな醸造所です。

>pfaelzerwein 様
 ドイツの白ワイン、フランスの白ワインとはまた違った深みがあって良いですねー。最近県外の飲食店でフランケン地方のワインを口にする機会があったのですが、やはり旨い。一般に言われているように「辛口」だけで済ませてしまうのはもったいないような旨みに溢れています。
 pfaelzerwein様のように醸造所の個性が分かるようになってくると、その楽しみは格別でしょうね。こういった醸造所ごとの個性を、日本でもフランスのシャトー並にクローズアップして紹介されるような機会や、そういった趣向の本がいくつかあればもっと楽しめそうな気がします。

 管理人もドイツワイン、もっと色々飲んでみたいと思ったのですが、なかなか難しいです。例えば、フランケン地方特有の丸くて平たいボックスボイテル型の瓶のワインが飲みたい!といざ探してみると、近所の酒屋さんでもデパートでも瓶の姿すら全然見かけない。ドイツワインがまとまっておいてあるようなお店、手近な所でどっかにあったらいいのにな…

ドイツワインはジレチレングリコール問題が報道されるまでぞっこんで飲んでました。
当時の購入先は地元の酒屋と有名デパート、有名酒屋でしたが、その件が原因で倒産した店もありました。その後のフランスワインブーム、赤ワイン
ブームで問題が解決されてもドイツワインの人気はスタルいっぽう。
アウスレーゼトロッケン売っていたら手に入れます(カビネットトロッケン
なら飲んだ記憶があるような)フランケンのボトルもみかけなくなりました。

>雲 様
 グリコール問題は世代的にリアルタイムで体験していないので過去にそんな話があった程度にしか思ってなかったんですが、当時はそんなに影響があったんですね。甘口主体のドイツワインにはさぞ痛手だったでしょうね。いまだにドイツワインが入手困難なのが口惜しいです。フランスやカリフォルニアやチリに比べれば、ドイツワインの流通量ベースの世界シェアなんて微々たるもの。店においてなくても仕方ない、そういう事情があるのは分かるんですけど…。理解のあるお店がもっと増えてくれないものでしょうか。

コメントの投稿

管理者にのみコメントを公開する

花垣の貴醸酒!「花垣の隠し酒」。 | BLOG TOP | 新潟。


QRコード
 このブログのQRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。