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マンフレート・クレーマー お気に入りのヴァイオリニスト。その2
マンフレート・クレーマー その1はこちら。

J・S・バッハ:トリオ・ソナタ集 マンフレート・クレーマー(vn)/レア・フルーツ・カウンシルJ・S・バッハ/トリオ・ソナタ集
マンフレート・クレーマー(vn)/レア・フルーツ・カウンシル
[naïve ASTRÉE E 8804]
 さて、マンフレート・クレーマーのとっておきのJ・S・バッハのアルバム。バッハのオルガン作品と室内楽曲からの編曲もののトリオ・ソナタ集である。
 オルガンのためのトリオ・ソナタ集からBWV527・BWV530、フルート・ソナタBWV1030、ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタBWV1029等からの編曲。

 演奏を一言で言えば「ノリノリ」か。こんなカタい曲で「どうしたの?」と問いただしたくなるようなノリのよさ。「このひと気分にまかせて弾いてるんじゃない?」という位、感覚的にバッハを弾いているように聴こえる。リズムの取り方も「過激」は言い過ぎかと思うが、かなりアグレッシブなアプローチ。
 あ、こう書くと何かポップスとかクロスオーヴァーまがいの演奏をしてんじゃないかと取る人もいると思うが、そんなことは全然ないというか、純然たるクラシック愛好者向けの演奏。ただしピリオド楽器演奏の中でも最も過激な解釈の1枚なのは間違いなく、好きな人は好き、嫌いな人は徹底的に嫌いになる演奏ではある。

 が、単純にノリが良いだけで薦めるのではない。自分だけかもしれないが、このCDを聴いて、新しい知的な出会いがあった、と考えるからである。


 最も心を動かされたのは、フルート・ソナタロ短調 BWV1030の編曲。

 フルート・ソナタとしてはあまりにも有名なこの曲。「この世にある最高のフルート・ソナタ」と言う人がいる位である。

 自分が聴いた感想では、正直な所「独特のメロディーではあるけれど、とりとめがないメロディーがまとまりなく並んでて、何かすわりがよくない。面白い曲だけど、この世で最高ってのは言い過ぎかな」という程度で、自分にとってそんなに気になる曲ではなかったのである。

 が…。

 編曲され、ヴァイオリンで奏された旋律の衝撃。

 フルートの柔かい音色で隠されていた、この曲のメロディーの本質が、鮮やかに浮かび上がってきたのである。

 浮かび上がったその姿の異常さ、特別さ。

 断言しても良い。こんなにも妖しくて、矛盾に満ちて、かつ魅力的な旋律は、他には有り得ない。この世で最高といっても、決して言い過ぎではないのだ。

 そもそもフルート曲としての知名度がありすぎて、せいぜいオーボエ・ソナタに編曲する位が関の山、という曲である。これをヴァイオリン用に編曲してCD出してくれたクレーマーには、礼を言っても言い切れない。この日から、BWV1030は自分の最も愛聴する曲となった。しかも、フルートで奏されたどんな録音よりも、私はこの録音がこの曲の最高の演奏と考えている。

※後日発見したことだが、ヴァイオリン用への編曲というアイディアは、もしかするとこれがモデルかも知れない。
 グスタフ・レオンハルトが、1974年に、BWV1030の第1楽章の協奏曲への編曲版を録音していたのだ(録音は、フランス・ブリュッヘンのバッハ:フルート・ソナタ全集のCD[SRCR2427-8]で聴ける)。
 やはり先見の明というべきか、当時の彼らって本当に凄いなーと改めて思い知らされる一事ではあった。(なお、この協奏曲の録音も、上記のCDと違った意味で目からウロコが落ちる思いがして必聴である。この録音聴くと、原曲は協奏曲だったんじゃない?って簡単に信じてしまう位の良い仕事である。)

 えーと、マンフレート・クレーマーは、上記のCDの他、ムジカ・アド・レーヌムという団体で、バッハの「音楽の捧げもの」のトリオ・ソナタを録音してるが、こちらでもも攻め攻めのアプローチをしている。昔は蘭VANGUARDからリリースされてたが、蘭VANGUARDが消滅した現在は、オランダのチャレンジ・クラシックスというレーベルが音源を引き継いで販売してるようだ。
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