2008-05-07
拾いもの 九谷焼のやきもの市にて。
先日、ニッチモノへの入口のaria氏に誘われ九谷茶碗祭りへ行ってきたときの拾いもの。李朝っぽい形と釉肌がちょっといいでしょ。九谷焼の文吉窯の徳利。千円ちょっとの品の割に結構楽しめる。絵のほうはいかにも和風だが、太い一文字でざっくり無造作に引かれた胴体の線が勢い良く徳利の周囲を一回転していて、その風情が割と良い。親に見せたら真っ先に「きす(鱚)」の絵かと聞かれて、これは管理人の第一印象と同じ。実際はサヨリを描いたものらしい。やきものの題材でサヨリはなかなか見ないよなぁ。
2008-04-23
東山文化の茶の湯を資料で学ぶ。 −こういうインサイドワークが地味に効いてくる。
茶の湯の歴史を語るとき、今の教科書では足利義政の東山文化の頃に広まった茶の湯が、現在の茶道の師範が行うような茶会とさも同じような形式で行われていたように語られるような印象が強い。
しかし、今広まっている茶の湯のイメージと、東山文化の中で楽しまれていた茶の湯のイメージは、実際には随分異なるようだ。
「君台観左右帳記、御飾書 −茶の湯の古典[1]」
(村井 康彦 校訂・訳注 世界文化社 s58出版)
当時の文化・芸術に関するプロデューサー的な役割を果たした足利将軍家の同朋衆、能阿弥・相阿弥の手になる「君台観左右帳記(くんだいかんそうちょうき)」。東山文化の芸術を知る上での決定版として知られる。
昭和58年出版のこの本は原文・書き下し文・口語訳と全て揃っているうえ、本の中で解説される絵画や工芸品のカラー写真もふんだんに掲載されていて、とても参考になる。ありがたい。
東山文化の頃は、お茶会といっても、それは(中国伝来の)絵画や美術品の鑑賞が主目的だった(=お茶を楽しむのはあくまで二の次の話だった)というのはよく書物で見るところ。少なくとも、千利休が大成した「わび茶」のように精神性を重んずる向きはまだあまり表面化していないようだ。
こういう時代の茶の湯を知る場合、千利休のわび茶を基礎とした現代の茶の湯のイメージはかえって邪魔になる場合が多い。伝統の手垢にまみれていない当時の生のメッセージにふれると、当時の空気感がやはりよく分かる(ような気がする…)。
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しかし、今広まっている茶の湯のイメージと、東山文化の中で楽しまれていた茶の湯のイメージは、実際には随分異なるようだ。
「君台観左右帳記、御飾書 −茶の湯の古典[1]」(村井 康彦 校訂・訳注 世界文化社 s58出版)
当時の文化・芸術に関するプロデューサー的な役割を果たした足利将軍家の同朋衆、能阿弥・相阿弥の手になる「君台観左右帳記(くんだいかんそうちょうき)」。東山文化の芸術を知る上での決定版として知られる。
昭和58年出版のこの本は原文・書き下し文・口語訳と全て揃っているうえ、本の中で解説される絵画や工芸品のカラー写真もふんだんに掲載されていて、とても参考になる。ありがたい。
東山文化の頃は、お茶会といっても、それは(中国伝来の)絵画や美術品の鑑賞が主目的だった(=お茶を楽しむのはあくまで二の次の話だった)というのはよく書物で見るところ。少なくとも、千利休が大成した「わび茶」のように精神性を重んずる向きはまだあまり表面化していないようだ。
こういう時代の茶の湯を知る場合、千利休のわび茶を基礎とした現代の茶の湯のイメージはかえって邪魔になる場合が多い。伝統の手垢にまみれていない当時の生のメッセージにふれると、当時の空気感がやはりよく分かる(ような気がする…)。
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2008-04-09
光悦作「時雨」「乙御前」、国宝「卯花墻」 −茶人のまなざし 森川如春庵の世界(名古屋市博物館)
ごめん。想像以上にすごかった…。メインの本阿弥光悦作の黒楽茶碗「時雨」、赤楽茶碗「乙御前」、どちらも非常に個性的でやっぱり良い。時雨は黒楽のくせにやたら薄作りで割と端正なのが渋いし、乙御前の自由な形は写真を見ただけでも言わずもがなで、あれを実際に立体で見られるのはやはり良い。
ネットでの噂どおり、国宝の志野茶碗「卯花墻」もちゃんと展示されてたよ。この茶碗も確かに良い。志野らしいポテっとした肌、自己主張がないのに存在感ある模様。適度なゆがみ具合。そして、これらに付随して大概裏返しで発生するはずの粗野な下品さがほとんど見受けられない。志野随一の名碗と言われるのも確かに納得。
どうも並んでいる作品群から受ける雰囲気が只事でないと思ったら、そりゃそうだ。「寸松庵色紙(伝 紀貫之筆)」だの「石山切」だの桃山期の鼠志野の皿だの織部だの、普通の展覧会だったらそれ1つで展覧会のメインになりそうな品々がゴロンゴロンしている。会場の広さも本気度満載。入る前は入場料が1,200円はちょっと高いかなーという印象があったが、会場に足を踏み入れてものの数分で、図録(2000円超の豪華版)の購入まで即座に決定。結局、音声ガイド(500円)も装備して、たっぷり2時間かけて隅々まで楽しんだ。
数々語られる個人のエピソードもえらく破天荒で面白い。何なんだ、この森川如春庵という人は。
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2008-04-05
御廊下橋と福井城の桜 (福井城天守閣跡)
今日は福井駅前に出かけたついでに、福井県庁のお堀に最近完成した新スポット、福井城の「御廊下橋(おろうかばし)」を、県庁の桜ともども見に行ってきた。橋の上全体をトンネルのように建築物が覆う、確かにあまり見ない形態の珍しい橋。
まだ周囲から若干浮いた感じが否めないが、いずれ馴染んでいくんだろう。中に入ると真新しい木の香りがする。古いものを有難がるのも大事だが、新しいものを素直に楽しむのも賢い楽しみ方と思う。
ところで、お堀の中にデーンと県庁のビルが建っているのが有名な福井県庁だが、実は、福井城の天守閣跡は県庁のビルの下に埋もれず、きちんと保存されているのをご存知だろうか?場所はお堀の内側、北西の角あたり。公園のように散策までできる。管理人、数年前まで長らく知らなかったよ。一応生まれも育ちも福井県です…。
お堀の桜はもう十分に見頃。桜は今日の時点でもう八〜九分位咲いてるかな。.
登り口からお堀の上に登ると、上から下まで視界全体が桜でいっぱい。分かってはいてもやはり少し感慨を覚える。 ›› 続きを読む
2008-04-04
おや…今年の名古屋は文化財集中の年か
今日なんとなくネットを見ていたら、どうやら今、名古屋市博物館に東京・三井記念美術館蔵の国宝の志野茶碗「卯花墻」がやってきている模様。美術館でなく博物館というあたり、ちょっと死角になりがちと思われる展覧会。4月13日(日)までの模様。行ってみようかと思っているところ。
なお、この機会に見逃しても、10月・11月に同じような展覧会が東京の三井記念美術館でも開催される模様(東京の展示品の詳細は不明)。後になってこの記事を見て残念な思いをした人も、無理すれば何とかならないことはない。名古屋市博物館は行ったことがないが三井記念美術館は暗いディスプレイで、よくある美術館とは異なる雰囲気の展示になるのが常なので、双方の会場で違った表情を楽しむというのも一興かも。
なお、この機会に見逃しても、10月・11月に同じような展覧会が東京の三井記念美術館でも開催される模様(東京の展示品の詳細は不明)。後になってこの記事を見て残念な思いをした人も、無理すれば何とかならないことはない。名古屋市博物館は行ったことがないが三井記念美術館は暗いディスプレイで、よくある美術館とは異なる雰囲気の展示になるのが常なので、双方の会場で違った表情を楽しむというのも一興かも。
2008-03-31
愛知県陶磁資料館 −猿投って、いいなあ。(2008.1)
奈良時代から平安時代にかけて栄え、鎌倉〜室町頃には消滅したらしい愛知県の古窯「猿投(さなげ)窯」。猿投という焼きものの存在を知ったのは比較的最近のこと。
独特の魅力のある灰色の器たち。鎌倉時代に比べてかなり技術力が高い(仕事が丁寧)と思わせる端正なやきものが多く、造形自体はいかにも大陸風なのに、全体的に受けるイメージではどう見ても和風の柔らかさに包まれて、確かに平安時代っぽくもあり、またちょっと謎めいた不思議な姿でもあり、本などで色々目にしていっぺんにファンになってしまった。
昭和29年になってようやく窯跡が発掘されたようで、やきもの全盛のこの国でこんな最近まで忘れ去られていたのか?というのも魅力に華を添えている。
この猿投窯のやきものの主要な名品を集めた展覧会が、猿投山古窯跡群のお膝元、愛知県陶磁資料館で運良く開かれていた。
「幻の壺−本多静雄コレクションのやきもの−」という展覧会で、本で見るようなアレとかコレとか、松永耳庵コレクションのソレまであり、目の保養になったことなったこと。
しかも奈良時代・平安時代の須恵器や灰釉陶器の陶片(本多コレクション)に実際に手でさわれるコーナーまで!見るのと触るのとではテンションの上がり方が全然違う。展覧会企画された方ありがとう!貴重な体験ができました。
他にも古瀬戸とか色々展示してあったが、もう猿投しか覚えていない。そんな一日。
この展覧会は終わってしまったが、愛知県陶磁資料館、2008年で開館30周年記念とのこと。今後も記念イベントが続いていくようで、今年は目が離せなさそうだ。
ところで、福井県陶芸館(福井県越前町、越前陶芸村内)に展示されている越前焼の中にも平安時代に作られたものがごく少数ある。端正な造りの三筋壺で、鎌倉や室町の豪快素朴な壺がゴロゴロ並ぶ中で大分違う存在感を放っており、興味のある人は一見の価値あり。福井県陶芸館も陶片を触らせてくれる趣向、やってくれないもんかな…
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独特の魅力のある灰色の器たち。鎌倉時代に比べてかなり技術力が高い(仕事が丁寧)と思わせる端正なやきものが多く、造形自体はいかにも大陸風なのに、全体的に受けるイメージではどう見ても和風の柔らかさに包まれて、確かに平安時代っぽくもあり、またちょっと謎めいた不思議な姿でもあり、本などで色々目にしていっぺんにファンになってしまった。
昭和29年になってようやく窯跡が発掘されたようで、やきもの全盛のこの国でこんな最近まで忘れ去られていたのか?というのも魅力に華を添えている。
この猿投窯のやきものの主要な名品を集めた展覧会が、猿投山古窯跡群のお膝元、愛知県陶磁資料館で運良く開かれていた。「幻の壺−本多静雄コレクションのやきもの−」という展覧会で、本で見るようなアレとかコレとか、松永耳庵コレクションのソレまであり、目の保養になったことなったこと。
しかも奈良時代・平安時代の須恵器や灰釉陶器の陶片(本多コレクション)に実際に手でさわれるコーナーまで!見るのと触るのとではテンションの上がり方が全然違う。展覧会企画された方ありがとう!貴重な体験ができました。
他にも古瀬戸とか色々展示してあったが、もう猿投しか覚えていない。そんな一日。
この展覧会は終わってしまったが、愛知県陶磁資料館、2008年で開館30周年記念とのこと。今後も記念イベントが続いていくようで、今年は目が離せなさそうだ。
ところで、福井県陶芸館(福井県越前町、越前陶芸村内)に展示されている越前焼の中にも平安時代に作られたものがごく少数ある。端正な造りの三筋壺で、鎌倉や室町の豪快素朴な壺がゴロゴロ並ぶ中で大分違う存在感を放っており、興味のある人は一見の価値あり。福井県陶芸館も陶片を触らせてくれる趣向、やってくれないもんかな…
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