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森六(蕎麦) 福井県越前市 ~強烈な弾力にノックダウン。
森六(福井県越前市) おろしそば 福井県で唯一、行列のできるお蕎麦屋さん。明治4年創業の老舗。行列も納得、本気で美味い。並んだ割には…って思わせるお店、結構多いんですけどね。材料がどうこうなんて置いといて、理屈抜きに舌が「美味い」と喜んでる。こういう商品を出す店は強い。典型的な「越前おろしそば」のお店ではここが一番好き。

 見た目は何の変哲もないおろしそばなんですけどね…。一口食べれば違いは一目瞭然。麺の弾力、ゴムのように勢い良く歯に伝わってくる。そして直後に表れる適度なモチモチ感。ただ弾力がある訳ではないのだ。「噛み締める」魅力というのか、これはうどんはもちろん、他の蕎麦屋すら及ばない独自の境地。極められている。

 もちろん、細かいことを言えば、おろしの材料の大根を季節に合わせていくつか品種を使い分けたりブレンドしたり、蕎麦粉にしても「自家製粉はじめました」とかお店に貼ってある訳で、細かい努力の積み重ねがあって初めてお店のクオリティが維持されてるんだなーと頭が下がる思い。老舗の看板に寄りかからない珍しいお店。素敵です。

moriroku-1.jpg森六
福井県越前市粟田部町26-20(旧今立町です。)
11:00-17:00
定休:毎月6・16・17・26日

※限定20食で、細打ちのお蕎麦「せいろ」がありますが、せいろを食べるなら「おおくぼ(福井市)」とか「更科藤井(金沢市)」とか、専門の店で食べるのが良いでしょう。この店の本質は間違いなく「おろしそば」。


 ”福井におろしそば文化なるものはない”という話をたまに聞く。たしかに一部においては真実を物語る話で、昨今巷にあふれている”越前おろしそば”なるものは、蕎麦粉の比率が異様に低い(5割以下なんて話も)とか、中国産の蕎麦粉を使って知らん顔とか、何の問題意識もなく大根おろしをかけ、ごまかすように商品に仕立てあげてしまう、そういうものがあふれているのも事実には違いなかろう。それをわざわざ”地域おこし”の名のもとにプロパガンダ的に盛り上げる様は、ソースカツ丼共々、背筋に寒気が走る思いをすることも少なくない。

 しかし、見たくないほうの事実だけを取り上げて「おろし蕎麦文化はない」と言い切ってしまうのもやはり極論であって正しくない。では、明治4年創業の森六、現在こそ休業してしまったものの、「うるしや」(文久元年[1861]創業)の存在はどういうことか。これらのお店が放ってきたオーラは、そこに洗練された何かがあったことを十分に感じさせる。

 文化とは、必ずしもそこに住んでいる人達の全体的な流行をいうものではないと思うし、もちろん"蕎麦文化"なるものにしても、純粋に蕎麦の味だけを楽しむことにこだわらなく方法もあり得る。おろしそばも、蕎麦の存在なくしてその味が語れない(おろしうどんでは断じて代用にならない)限り、それを"蕎麦"と呼び、"蕎麦文化"と呼ぶことに、何もためらう必要はない。それが数えるほどのお店で生まれた突然変異的な事態であっても問題はない。文化も歴史と同じ、実態は点的な出来事の積み重ね、つながりなのだから。
 
 森六のお蕎麦は、普段、蕎麦とは何ぞやとか小うるさく考える頭に「うまいものはうまい」と、純然たる”結果”を突きつけるもの。福井には、文久元年からうるしやのおろしそばがあり、明治4年から森六のおろしそばがある。そのことをもって、福井にはおろしそば文化があるといって差し支えないと思う。どこもかしこも無批判におろしそばというのには、確かにもっと問題意識を持つ必要があると思うのだけど。

 文化とか芸術とかそういうものは、坂口安吾が「文学のふるさと」という表現で鋭く指摘しているように、作る側より物事を受け止める側が大事。作る側の人間が少なくても、文化は育つときは育つ。要は消費者の"見る目"が一番大事、ということではないかと思う。
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コメント

福井のそばの歴史や熱いコメントにノックアウトさせられました。
また のぞきます。

>bobykent 様
 今読み返すと、うわぁ当時は色々と書いてたんだなとかそういう感じですが、思いとしては大筋で変わる所はありません。更新はぼちぼちですが、よかったらまた見にいらしてください。

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